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11/2 ゼロから学ぶ#4「今年の夏、暑かったよね、、、:樹冠被覆率ってご存じですか?」〜未来世代法アカデミーを開催しました。

11月に入り、もぅだいぶ涼しくなりましたが、今年の夏の過酷な暑さを忘れないうちに、、、「樹冠被覆率」という指標、ことばを知っていただくための学びの時間を持ちました。

「樹冠被覆率」とは、「ある土地の面積に対して 枝や葉が茂っている部分の割合のこと」で、実際には 上空からの写真を撮って、そこから枝や葉が茂っている部分の割合を算出するようです。

木陰は、見た目に涼やかに心地よい感じを与えるばかりでなく、実際に温度を下げる効果があります。

葉の茂り方によって、一概には言えませんが、木陰があるとないでは、20度ほども温度に差が出ると書かれた記述もあります。

近年の、気候変動/気候危機による酷暑緩和を目的に、欧米各国では、樹冠被覆率を上げる政策が具体的にとられています。

アメリカ・ニューヨーク市では、2035年までに、少なくとも樹冠被覆率を30%に上げるよう目標がかかげられています。

オーストラリアのメルボルンでは、2040年まで樹冠被覆率を40%に。
フランスのリヨンでは、樹木憲章が定められ、車の車線を減らして街路樹を増やしています。

一方日本では、いつ頃からか、街路樹の切り方が変わったと思いませんか?
幹からバッサリ、木が大きく育たぬよう切り落とされていたり、道路側と歩道側で木の切り方が歪で、木の形が不全になっている例も多く見受けられるようになりました。

それってどういうことなんだろう、、、この日のテーマ、「樹冠被覆率」について、用語の説明や各国の様子をお話しさせていただいたあと、しばらくお一人お一人に作業していただく時間をとりました。

●まず、ご自身が住まわれている自治体のWEBページを開いてみる。
●街路樹の管理を担当している部署は、何という部署か、街路樹について書いてあるページをみつけてみる。
●そこでどんなことが記載されているか、どんな報告書がアップされているかを、ざっと目を通してみる、、、
●街路樹に関する、お住まいの自治体の報告を見てみて、どんなふうに感じるか、どんな話をしてみたくなるかについて、参加者のみなさんにそれぞれ発表していただきました。

参加者のお一人、東京23区内にお住まいの方を例にとると、
数十ページにも及ぶ報告書のPDFが上がっていて、まずその大変な仕事ぶりに驚いたこと、そして感謝の気持ちが湧いてくること。

木の管理については、落葉やに関しての近隣住民の方からのクレームばかりが目立ち、切り刻まれるのはいたしかたないように一見は見えること、、、でもそれは本当なのか?
クレームばかりが、見える化されているけれど、本当は、木を切ってほしい/切らないでほしい、両方の意見があるかもしれないけれど、一方だけが見える化されている可能性があるのかないのか、、、本当には、それぞれ直接聞いてみないとわからないよね、、、という話をして、それぞれの担当課と直接話してみる、、、電話をしたり、問い合わせフォームからメッセージを送ってみたり、やれるところからやってみよう!という準備を整えるところまでを、zoomの中でやってみた時間でした。

大切だと思ったのは、自分の街に関心を持ってみること。
どこかの聞いた話しではなくて、自分の暮らしている街の様子を自分の目でみて、肌で感じて、行政からの発信を、待っているのではなく、みつけようとしてみて、そうしてコミュニケーションを生む。
関心を持って、行政の仕事をみつめてみる、ということの一歩をやってみる時間でした。

【参考資料】

●書籍:街路樹は問いかける 温暖化に負けない緑のインフラ  藤井英二郎他著 岩波ブックレット

●アメリカ農務省森林局 提供アプリ  itree
  itreeは、主にスマホ用アプリとして提供されていて、自分の街の樹冠の情報を検索したり、木を植樹したら、その木が今後何年後にどのような価値をもたらすかをの試算を算出してくれたりする画期的なものです。


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