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2024.8.27 地方自治体と私たちのWell-being 〜未来世代法アカデミー ゼロから学ぶ #12 開催報告

8/27(火)の夜、未来世代法アカデミーゼロから学ぶ 12回目、地方自治体と私たちのWell-beingをオンラインで開催しました。

私たち、未来世代法チームは、ウェールズではじまった「未来世代のためのWell-being法」というすばらしい法律がこの世界にあることを知り、少しでも多くの方に「こんな法律があるよ!日本でもやらない!?」と呼びかけるとともに、この法律に倣い、エッセンスを大事に活かしながら、日本独自の「未来世代法」を地方自治体に働きかけて、地方からのボトムアップで、いつか国の法律としてもあたりまえに制定されることを目指して活動しています。

「どうして、地方自治体に働きかけるの?」って質問をいただくことがよくあります。
1つには、いきなり国全体っていうのは大変なので、まず小さい単位からボトムアップで、というのがあります。
2つ目には、ウェールズという国が、人口300万人、広さ2万平米という小さな国で、日本でいうと、ちょうど大都会1つ分くらい、または地方の道府県1つ分くらいだからです。

今までに、地方議会の一般質問で、3つの議会で「未来世代法」に触れていただきました。
そしてこれから本格的に、地方自治体単位での条例制定・未来世代宣言の制定を目指して働きかけていくことを考えたとき、相手をよく知るために、あらためて「地方自治体とは何ぞや?」ということを1から紐解いてみたいと考えました。

憲法第八条・地方自治にはどう書いてあるか?
地方自治法第一条からどう書いてあるか?
まず読んでみるところからはじめました。

地方自治法第一条(二)には、
『地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする』と書いてありました。

そうなんだ!地方公共団体は、「住民の福祉の増進を図ること」が目的なんだ!
そして「福祉」という言葉を調べてみると、「幸福、充足、安心」などの言葉が並んでいました。
なんだ!「福祉」って言葉は、サポートを必要としている人だけじゃなくて、住民(すべての)「幸福や充足や安心」のために地方公共団体は存在しているんだ!って思いました。

なんだ!「地方自治法」には、現世代と未来世代のWell-beingがすでに書いてある!
そう思いました。

ウェールズ未来世代法では、まず最上位概念として「持続可能な発展=将来世代のニーズを損なうことなく、現世代のニーズも満足させるような発展」がウェールズ法に記載されています。

そして、この持続可能な発展を本当に実現するために、国の7つの幸福目標を定め、国や公共機関は、国民の7つの幸福目標をすべて満たすように施策をとることを義務付けられています。

さらにこの7つの幸福目標の説明も、未来世代法の法文の中にきちんと書かれています。

1番上の「豊かなウェールズ」の項はさらに、ウェールズ未来世代法のWEB PAGEを読むと、さらに細かく定義づけが言語化されています。

(和英対訳にしたものを、こちらから読んでいただけます)

ここまで調べてわかったことは、ウェールズ未来世代法には、国としてどう在りたいか、ということがこと細かに言語化されていると思いました。
一方、日本には、あらゆる法律がすでに在り、けっこういいこと書いてあるものもたくさんあるけれど、「書いてはあるけど、そのように運用されてはいないよね?」とか、「書いてはあるけど、なんだかそうなってる実感がないなぁ」と感じることもよくあるなぁと、個人的には感じることがよくありました。

そんなことをプレゼンテーションさせていただいて、この日はいつもよりも長めにブレイクアウトで話していただいたり、そのあと全体に戻ってのシェアもいつもよりも長めにとりました。

ご参加いただいたみなさんに、いつもより少し踏み込んでお話した「ウェールズ未来世代法」の特徴について、そして日本では 私たちどんなことを将来世代に残したいだろう、大事にしたいだろう?ということを参加者それぞれにゆっくり考え言語化していただきたいと思いました。

参加してくださったみなさまから出てきたことは、
●人間だけじゃなく、人間が自然の中で 他の生き物たちとともに生きる存在として、すべてのいのちを大切にしたい
●目標・大切にしたいことはいろいろあるが、それを「国の法律」において定義することが、ほんとうによいのだろうか?という疑問も。
●地方自治法の「福祉」は、憲法25条の社会権(生存権)を指している?
●「人間中心」で来てしまったことを、いちど反省する必要もあるのでは?
●「生物多様性」をうたう企業も、ウラでは自然破壊…。そういうところから!
●一人ひとりが違うからこその「共感」を
などなどのご意見が出ました。

とても1回でおさまる内容ではないのですけれど、こうして毎回 いろいろ角度を変えて、共に学び話してみる。それを繰り返し、そんな場が増えて広がってゆくことで、未来をみんなで作っていく。

そんな活動をこれからも続けていきたいと思いました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

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