12/4から6日の会期で、東京有明の東京ビックサイトで開催された「SDGs Week EXPO エコプロ2024」で、ウェールズ政府がブース出展するとともに、公式には日本ではじめて「未来世代のためのウェルビーイング法」(以下、未来世代法)についてプレゼンテーションを行いました。
初日12/4には、ステージ・カンファレンス【「Walesから世界の未来世代へ」実現可能なSDGs】が開催され、日本で活動してきた「未来世代のためのウェルビーイング法日本版プロジェクト」からも、代表の河合がパネリストとして登壇させていただきました。
リチャード小泉ウェールズ政府駐日代表のご挨拶のあと、ウェールズ未来世代法の礎を築かれたJane Davidsonさんによるプレゼンテーション・フィルムが流されました。
また、この日のためにウェールズから来日された、David Warrenウェールズ政府国際交流本部本部長のプレゼンテーションに続き、パネルディスカッションが行われました。
パネリストには、SDGsを成立前の国際交渉の段階から見守ってこられた、IGES(公益財団法人地球環境戦略研究機関)の小野田真二さんからは、SDGsの国際状況について。目標はあるけれども、やり方は自由だし法的拘束力もないSDGsを、どう実効性を持たせ進捗評価しているのかについてのご報告がありました。
その中で、ウェールズ未来世代法が、あらゆる取り組みの中にSustainable Development(持続可能な開発)のチェックを入れていくこと、そしてあらゆるステークホルダーと協力・協働していくことが大切なんだけれども、それをちゃんと法律にまでしたところが素晴らしいとのお話がありました。
最後に、ウェールズが2022年に世界各国の若者の中から集めた、未来世代アンバサダーを日本代表として務められた今井絵里菜さん。
ウェールズが国際的に貢献できる立場として、情報やリソースを集めるために、いろんな地域、いろんな世代の声を聞こうとして集められたメンバーのお一人として活躍されました。
もともと学生時代から、気候変動分野において、省庁に政策提言の活動を行ってこられた今井さん。
若い世代の代表として、審議会などに呼ばれる機会があっても、プレゼンテーションの時間が限られていて、かつ意見交換という仕組みにはなかなかなっていない。当事者や、まだ生まれてきていない未来世代の立場に立って考え発言する存在がいることの重要性について、話してくださいました。
1987年にブルントラント委員会において、持続可能な開発という概念が提唱され、2015年にSDGsが世界の共通目標として発表されて10年。それを本当に具体的に法制化したのは、世界でウェールズだけであることを、David Wallen氏は強調されました。
SDGsが、ぼんやりと掲げられた目標ではなく、本当に達成目標として各国が本気で取り組む目標であるために、未来世代法の存在意義はますます問われてくるところとなるでしょう。
今年2025年。SDGs発出から10年。そして未来世代法がウェールズで施行されて10年です。
ウェールズでこの法律がどうやって制定されていったのか、そのプロセスを描いたJane Davidsonさんの著作「#futuregen」の翻訳本が、今年春に出版されます。
日本がより持続可能な国となり世界に貢献できる国となっていくためのヒントがたくさん記されています。
どうぞ楽しみに待っていてください。
最後に。限られた時間の中で、それぞれの立場のパネリストの話を見事に引き出しまとめてくださった、明日香壽川先生に心より御礼申し上げます。
なお、David Wallenさんのすばらしいプレゼンテーション部分は、また別記事として上げたいと思います。
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