「ウェールズ未来世代法」について

ウェールズの事例、取組

◆原題は、『Well-being of Future Generations (Wales) Act 2015』。
 日本語訳は、「未来世代のためのウェルビーイング法」、通称で「未来世代法」と訳しています。
 最初に表記の通り、未来世代のための『Well-being』についての法律です。

ウェールズ未来世代法 前文

ウェールズ議会による法律。

本法は、公的機関に対し、持続可能な発展の原則に沿った方法で、ウェールズの経済的、社会的、環境的および文化的ウェルビーイングを追求して取り組みを行うよう義務づけること

公的機関に対し、その取り組みについて報告するよう義務づけること

公的機関が本法に従って取り組みを行えるよう助言と支援を行う、未来世代コミッショナーを設置すること

地方自治体の区域ごとに公共サービス委員会を設置すること

同委員会に対し、その区域における経済的、社会的、環境的および文化的ウェルビーイングを追求して計画を立て、行動するよう義務づけること

その他、これらに関連する目的のため

 [2015年4月29日]

An Act of the National Assembly for Wales to make provision requiring public bodies

to do things in pursuit of the economic, social, environmental and cultural well-being of

Walesin a way that accords with the sustainable development principle; to require public

bodies to report on such action; to establish a Commissioner for Future Generations to

advise and assist public bodies in doing things in accordance with this Act; to establish

public services boards in local authority areas; to make provision requiring those boards

to plan and take action in pursuit of economic, social, environmental and cultural well- being in their area; and for connected purposes.

ウェールズ未来世代法の特徴

◆ウェールズ未来世代法は、ウェールズというくにが「持続可能は開発原則」の国の中心原理にすると決めて成立した法律です。
「持続可能な開発」の定義は、世界で最もよく知られる、1987年に「環境と開発に関する世界委員会」(通称:ブルントラント委員会)の報告書「Our Common Future」に書かれた定義=「将来世代のニーズを損なうことなく、現世代のニーズを満たす」が採用されました。

◆未来世代法の中心原理は、「持続可能な開発=Sustainable Diveropment」なので、未来世代法はSDGs=Sustainable Diveropment Goalsについての法律です。
ウェールズは、ウェルビーイングとSDGsについて国内法を作った世界で今のところ唯一の国です。

◆未来世代法が適用される範囲は、「環境、社会、経済、文化」の4領域です。
SDGsの三領域「環境、社会、経済」に、文化が加わっているところが、未来世代法の特徴です。

◆未来世代法は、国や公共機関に対して、「今のことだけでなく、未来の世代のことも考えて事業計画を作り実施し、報告を義務づける法律」です。市民の側に何かを義務づける法律ではなく、国や公共機関に対して課している法律です。

◆「未来世代コミッショナー」という役職を置いています。
未来世代コミッショナーは、公的機関が未来世代法に従って取り組みを行えるよう、助言と支援を行ったり、議会や国民に対して定期的な報告書を作成すること、未来世代の代弁者となることなどの任務があります。

◆未来世代法制定前の1年間をかけて、「ウェールズの7つのウェルビーイング目標」が決められました。ウェールズの公共機関は、この7つのウェルビーイング目標を達成できるように働くことを義務づけられています。

◆未来世代法で、7つのウェルビーイングゴールに向けて、国全体がどれだけ進んでいるかを測るための「国家指標」(2026.11月現在50個、だんだん増えています)が独自に作られていて、1つ1つの国家指標について、報告するWEBページが公表されています。

◆「持続可能な発展の原則」に沿って公的機関が行動しているかを評価/監査する目的で、ウェールズ会計検査院長(Auditor General for Wales)が、コミッショナーと連携をとりながら役割を負っています。